◆第1回 「根には自我がなかった?」 |
(平成24年5月3日掲載) |
小さい頃の山根康児くんはどんな男の子でしたか?
うぅん…子どものころは、どちらかといったら、ちょっと人の前に出るのは苦手。 できれば、そっとしてて欲しい…ぐらいの控え目なタイプ。 今になって思えば、密かに隠れていたいという感覚かな。
そっとしてて欲しいって、まさに土の下の根っこですね(笑)
一番最初は自我がなかったかも。 子どもの頃のことって…あんまり覚えていなくて。
記憶にあることは少なくて、少ない中でお話をすると、幼稚園の頃は、お昼寝の合間に抜け出して、花壇の花をちぎって、花の蜜をチューチュー吸ってるとか。
自我があるなしというよりは当人が気づいてないだけという気がしますけど(笑)。
その蜜、美味しかったのですね(笑)
すでに人と違う素地はあったんじゃないかなぁっていう感じ。
「なんでだろう?」「なんでだろう?」は口癖だったみたいで大人をよく困らせてはいたみたいです(笑)
ご兄弟は?
弟がひとり。
男兄弟二人なら、今みたいにハーブだの、料理だのよりは、激しく格闘ごっことかしませんでしたか?
男の子だったら、車とかでブーブーいいながら、遊びそうなもんだろうけど、どうも、そういう子どもじゃなくて。
もちろん、親もそういう車とか当時流行りのおもちゃを買ってくれてたんですけど、あんまりそういうものには興味みせなくて。 実家の裏の土手で走ったり、草花摘んだりしながら、遊ぶからそのうち、親も買わなくなっちゃって…自営だったので弟とは、よく遊んでいました。
おとなしいというわけではないんですけど、ほんと田舎育ちで。
私が影響を与えたつもりはないけど、弟も真似して、部活とか進路も同じような感じで高校ぐらいまで一緒で。 比較的、兄弟仲は良かった。
自然の中でのびのび育っている最後の世代かもしれないですよね。
その頃、とくに興味があったものは何でしたか?
本ですね! 中学になると初代図書委員長に立候補して学内選挙で選ばれて委員長を務めていました。 たまたま母親が読書週間に生まれた人だったので「お母さんは本が好きだよ。きっと、あなたも本が好きよね」とかなんか言われると、「あっそうだね」という感じで、「自分は本が好きな子こどもなんだ!」と、そのまま影響を受けていたという(笑)
あれ読みなさいとか言われることは絶対なく、図書券をもらったら自分で本屋へ行って、好きな本買って。 文章の本も好きだけど、写真や絵がいっぱいの図鑑とかも大好きでした。
ご自身で特に関心のあったジャンルは?
小学校で希望者だけ本を購入するシステムがあって。
「公害について」の本や「環境問題」の本は毎月毎月、学校に届けられていて、なぜか、クラスで自分だけがそれを購入して、いつもそれを見ていて、「環境問題」は同級生の中でもなぜか一人だけ敏感でしたね。 そこに描かれている写真や映像みるたびに、「あぁ…こんなことになっているんだぁ…」と今振り返ると、関心は他の同級生よりもすごく高かったんじゃないかな。
好奇心の赴くまま、すくすく自我も根も育ってますよね(笑)
ちょっと子どもの頃から普通の同年代の子が考えるようなことではない、妙なところを考えている癖がある。 たぶん、ほかの子にはあまりない、ものの見方とか感覚とかがあったんじゃないかなという感じですね。
幼少期の山根康児さん、ここからどんな根を這っていくのでしょうか… つづく
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